○○ってどう思う?
「人妻」ってどう思う?
いや、ブログ初っ端の話題がこれってどうなんだとは自分でも思うんだが、しょうがない。
最初の一文を見て戻ろうと思った人。
あなたは正しい感性の持ち主だ。
だがとりあえずは最後まで読んでくれ。
このブログは全年齢対象だし、男女問わず読める(と思う)。
最初の一文を見て興味を持った人。
とりあえず反省してくれ。
五秒懺悔したらどうぞ読み進めるんだ。
言っておくが別にそういう話じゃない。
後悔するなよ?
「人妻」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
私はつい先日聞いた。
「―お前人妻ってどう思う?」
「難しいなあ…」
電車の中で近くにいた男性二人の会話である。
いきなり何を、とか難しいって何が、とか電車の中やぞ、とか一瞬で色々なことを考えたが、二人が下車してしまったために続きは聞くことができなかった。
この時点で私は五秒懺悔すべき人間である。
気になる。
気になるがとりあえず犯罪にならないことを願うしかない。
もちろん本題はそこではないのだ。
私はそれを聞いて考えてしまった。
それすなわち。
「人妻」の男性バージョンとはなんぞや?
ということだ。
実はこのネタは一度後輩とともに話したことがあるのだが。
そもそも、今日「妻」とは男性の配偶者である女性を指す意味で使われている。
他人の奥さんであるから「人妻」。
悪くない。
いや違うそういう意味じゃないんだそんな目で見るんじゃない!
定義として間違っていない、ということだ。
ところが男性バージョンと言われるとはたと詰まる。
女性の配偶者である男性、すなわち「夫」。
「夫妻」の言葉通り妻の対義語ならば夫が妥当である。
ならば「人夫」か?
それは「にんぷ」としか読めない。
ならば「間男」?
それは世の既婚男性に失礼だ。
間男の溢れる世間なんざ、どこの昼メロだと怒鳴りたくなる。
と、そういう話をしたところで仮説を立てた。
まずは「妻」ということが両性用という可能性。
妻というのは「配偶者」ということで格別女性を指す言葉ではないということ。
事実「夫」という言葉は「つま」とも読める。
そうすると隣の旦那さんも向かいのおやっさんも「人妻」となるのだな。
…寒気がするがまあいい。
もう一つは、女性がモノとか財産としてしか扱われなかった男尊女卑の時代の名残、という可能性。
女性蔑視とか言っている女性自立運動のお歴々に殺されそうなことを言っているが、通報はしないでくれ。
私はまだ死にたくない。
それはさておき、どういうことかというと。
モノ扱いであるが故に人のモノ、所有物という意識で「人妻」というわけだ。
これはなかなかエグい話で今も残る差別用語とやらにも通ずるものがある。
知らないと差別になってしまうわけだ。
レディファーストなんつうものは元々は女性を先に部屋に入れたり食事を取らせたりすることで暗殺を防ぐものだったらしいし。
下手すると女性にこてんぱんにされる。怖い。
まあレディファーストをするような間柄の女性はいないから杞憂なのだが(自嘲)。
閑話休題。
何が言いたいか、というと。
どちらの仮説にしろ他者の配偶者である男性を示す言葉ははっきりとは存在しないわけだ。
すなわち「人妻」の男性バージョンはあったとしてもなかなか使われにくいのだ。
前者の仮説の場合は皆が知らないから。
後者の場合は男尊女卑の考え方の名残が男に当てはめることを封じているから。
まあそんなところだろう。
一応の解決はみた。
少し満足。
まあ、我が国の男女間における貞操観念の相違と考えるとわからんでもないが。
ちなみに「人妻」という言葉に妙に背徳感を感じる人がいる理由もはっきりとは存在しない。
存在しないのだ。
ないったらない。
そういえば聖書の中でも有名なモーセの十戒、その一節にはこんなものがある。
『隣人のものを貪るべからず』
あとは別の書だが(名前は忘れた)こんなものもある。
『隣人を羨むべからず』
昔から隣のものは芝生でも奥さんでも綺麗に見えたのだな。
かくも人間の業は深いものである。
とかなんとか考えているうちに自宅の最寄り駅についてしまった。
慌てて電車を降り、ホームを歩いてぼんやり空を見ると曇っている。
そして気づくのだ。
人妻人妻と言っていた彼らもまた、人妻そのものではなく記号の定義を考えていたのではないか、と。
私は勘違いしていた。
恥ずべきは私の方だったのだ。
彼らはきっとこの曇り空のようにモヤモヤしていたに違いない。
そう考えて、ついでに他人の意見を聞きたいと思って、愚かにも私は言う。
彼らの二の舞になるのだ。
「ただいま」
「おかえり」
「弟よ、人妻ってどう思う?」
「救急車呼ぶ?それとも通報がいい?」
かくも現実は理不尽である。
いや勉強しろよ。
※本ブログはノンフィクションです。
いささか出来過ぎだとか盛ってるとか言われそうだが嘘じゃないです。
本当に。
また細かい定義についてはグ先生をご活用ください。
これはあくまで私見です。お気をつけて。
町中で友人に向かっていきなり人妻の話を始めてドン引かれても、当方は責任を負えませんので悪しからず。
P.S こんな感じで気になった言葉について考えを書き散らすか、生活について書くかすると思います。
今後ともどうぞよろしく。
P.SのP.S 投稿直前、心配になって広辞苑先生に尋ねると、「人妻」は「他夫」とも書くらしい。
「他人の配偶者の女性、または男性」という意味だそうだ。
故に前者の仮説が成り立つ。
以上です。